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【語りの梗概】
我々の本家は、仲順七煙ころからの家で上ヌ安里、イナサトゥと言いましたよ。この上ヌ安里には、仲順大主の直系の人がこっちにいないために、仲順大主の位牌が祀られておったらしいんですね。この位牌は、義本王が頼ってきたぐらい勢力があった仲順大主のものですから、立派な大きい位牌でした。ところが、今の私の家を始めた安里の初代が上ヌ安里から分家をするときにですね、「この仲順大主はお前が祀れ」と言われて、位牌を受け取ったらしいですよ。これは私の安里の方の初代のときですからね、だいたい二百年前のことです。それを安里の方で祀っておったんですがね、そこの事情はよく分からないんですがね、今度は、「どうもこれではいけない。やはり仲順大主の位牌はこっちに置くべきだ」と再び上ヌ安里に帰ったらしいです。それから後になって、またもういっぺん安里に帰って来てるんです。それは、私の曾祖父の時代で、大体もう百二、三十年ぐらい前になりますか。それで、アサギを造って、そこにこの位牌を祀っていたんです。その後、これは私が若いころですね、昭和二年ごろにまた上ヌ安里の家から、私の家の安里が祀っていることに、「いや、これは安里家が祀るべきものではない」と異義があって、そこで、それを解決するために、「そんなら、お宮を造ってそこで一緒にしよう」とお宮を造って、一緒に祀ることにしたんですよ。仲順大主については、話でもいろいろ伝えられていますが、とにかく徳の高い人物だったために、いろんな話ができたんでしょうな。仲順流れの歌にもなっている話は、私たちの家には、ぜんぜん伝えられていないですよ。