木魂聟入り チャー木の精の話(しまくとぅば)

国頭村字半地の伊地カメさんの語りです。

伊地カメさんは1892年03月08日に国頭村字半地で生まれました。

話し上手のお爺さんお婆さんから昔話を聞いて育ち、19才の時に結婚、南部に移住して30年ほど布織りの仕事などをした後、半地に戻り農業に従事しました。

聞き手は、沖縄口承文芸学術調査団の辺土名さん、乾さん、新城さん、仲里さん、1974年8月10日と1975年3月8日の記録です。

【語りの梗概】

昔からチャー木が十字路に立っていた。畑仕事をしていた男が、その木の下で疲れを癒しては仕事をしていた。しかしその木を倒さないと水が引けないということで村中の人が集まりクジを引いた結果、野良仕事の男が当たってしまった。その木にはチャー木の精が棲んでいたのだろう。いつも女が出てきては脱いだ着物をその男の肩にかけたりしていた。後に二人は、一緒になって子どもが出来るが、男はその木を切り倒すことになったので、木に斧を入れると女が「痛い」と言って身を曲げる。三回斧を入れるとその女は死ぬ。その後、チャー木は首里に持っていくことになる。毎日毎日、村中の人が引こうとするがどうしても引けない。すると女が産んだ子供が出てきて綱をつかみ、「ディーサイアンマー カミジュートゥ マンジューンイカヤ」と声をかけると、チャー木は簡単に動き首里王府に運ばれた。


語りは、mp3 の形式で録音されています。

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