世界昔ばなし・ヨーロッパ
日本民話の会 編|講談社文庫|定価580円
ヨーロッパの代表的な民話の語り50話紹介するお話し集です。
講談社から『ガイドブック世界の民話』(1988年)を刊行したことを契機に、私たちは一方では日本民話の研究者を集めてガイドブックの日本篇の編集に取り掛かると同時に、『ガイドブック世界の民話』の執筆メンバーにその具体的な類話を集めた「世界昔ばなし・ヨーロッパ編」と「アジア編」の2冊の刊行準備を始めました。
その「アジア編」の原稿とりまとめは斎藤君子さんが担当し、「ヨーロッパ編」のとりまとめは樋口淳が行いました。
本書は、北欧・東欧(フィンランド、ソヴィエト、ポーランド、ブルガリア)・中欧(ドイツ、オーストリア)、西欧(イギリス、フランス)・南欧(スペイン、イタリア)と、一応ヨーロッパ全域をおおう努力を重ねましたが、とにかく講談社の会議室に集まることのできる研究者の数が限られていたので、このような結果となりました。
50話の語りは、アアルネ・トンプソンの国際民話話型カタログにそったもので、原資料から直接翻訳されています。
『ガイドブック世界の民話』との整合性を大切にしたオリジナル編集の資料集で、ヨーロッパを始めとする既存の民話研究者の資料集をそのまま翻訳したものではありません。
巻末の「【解説】で、各話ごとの原資料名と語り手や記録者についての情報が記された貴重な民話集です。
姉妹編の『世界昔ばなし・アジア編』とあわせて活用してください。