民話の森のルールブック2

長靴をはいた猫・眠れる森の美女・青ひげ篇
樋口淳 著|定価980円

いつの頃からか語られはじめ、私たち人類の間で語り伝えられてきた民話には、いくつかのルールがあります。

アンデルセンや松谷みよ子のような優れた児童文学者は、このルールをよく知っていて、このルールに乗って多くの作品を生み出しましたが、時々ルール違反をして「創作」してしまうことがありました。

もちろん、民話の伝承の語り手も、時々ルールを逸脱して、個性を発揮してしまいますが、肝心の民話の方はしたたかで、かならずと言ってよいほど軌道修正をして、語りを原形にもどしてしまいます。

それでは、その軌道修正を可能にする、民話のルールとはなんでしょう。

私たちはここで、前回の「シンデレラ(サンドリオン)」や「赤ずきん」に続き、「長靴をはいた猫」「眠れる森の美女」「青ひげ」というペローの民話を手掛かりにして、①国際比較研究 ②構造論的研究 ③精神分析的研究 ④文芸学的研究という4つの研究スタイルを利用して、民話のルールについて考えてみたいと思います。